●ポイント2
自分にとっていい家がほしいという気持ちをもちつづけること。





建主の価値観や暮らし方、人となりに合わせて住まいは設計されます。建主の生き方を、建築家というフィルターを通して映し出す作業が設計といっていいかもしれません。
ですからできあがった住宅で建築家が問われるのはもちろんですが、建主も問われることになります。つまり生き方にこだわっているほど、そして価値観が整理されているほど、その人に合った良い家になる可能性が高くなります。
ただ最初の素朴な気持ちを持続することは容易ではありません。ショールームへ行けば価値の高いものに視線が行きますし、見本を見ても同様でしょう。
現場が始まると、「ここだけでも少し変更しては…」などと考えはじめ、ひいては次々と変更や追加を重ねることになったりします。こうなると結果的につじつまの合わない、高い家になります。
いい家がほしいという建主の気持ちが設計者のやる気を刺激し、それが図面に反映され、施工側にも伝わって始まった家づくり。十分に打ち合わせをして図面に指示されたもののほうが、ショールームでちょっと見た製品よりいいに決まっています。大事なのは自信を持つこと。気の迷いは関係者にも影響します。最初の「自分にとって良い家」の意志をもちつづけましよう。

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