●方法9
長持ちさせる秘訣は、1に点検2に修理、3に点検の繰り返し。

なんといっても「建物の各部をチェックし、修理する所はすばやく修理、手直しや手入れも迅速に」が家を長持ちさせる秘訣です。では、どんな所をいつ、チェックすべきなのか、主な所をピックアップしてみましよう。



竣工後1年目まで・まだ新しさが残っていますが、最も工事後の変化の激しい時期です。特に注意して点検します。屋根は台風や大雨の後に、天井裏、屋根裏に入り、雨漏りのしみを探してみます。
樋の清掃、外壁の傷の点検、浴室等の換気の配慮、排水パイプの年2、3回の点検などです。

3年目まで・屋根は雨漏りのチェック、樋のチェック、屋根、外壁の鉄板部分の傷跡のさびのチェック、ペンキ塗り。内部では、障子、ドア、フスマ等の立て付け調整、浴室等のカビの注意、台所換気扇点検、風呂釜のパイプの掃除、床のワックスがけ、壁の汚れ落とし、タタミの表替え、などです。
5年目くらいまで・一部分の所で修理、取り換えが必要になります。屋根、外壁等の塗り替え、鉄部の再塗装、外壁クラックの補修の他、木部等の再塗装等が考えられます。  内部では、水栓等の修理、浴室等のタイル補修。浴槽・壁のパテ塗り、設備機器の点検修理、取り換え。建具の立て付け調整と金具部分の油さし。壁・天井の部分的補修、フスマ、障子紙の張り替え。タタミ表の取り換え。カーペットのクリーニング、配水管、桝の掃除などが考えられます。

10年目ぐらいまで・かなりの部分で修理、取り換えが必要となります。屋根、外壁、鉄部の再塗装、樋の取り換え。外壁等、隙間のコーキング。外壁、屋根の修埋。バルコニーの点検修理。電気器具、設備器具の点検修理。雨戸、網戸、玄関ドアの取り換え。濡れ縁の点検修理、防蟻剤の再処理。床、壁、天井等の修理。


15年目ぐらいまで・ ほとんどの部分で修理や取り換えが必要な時期。10年目のチェックの他に、軒天井の修埋とか木部のパテ埋め修理。下屋屋根、バルコニーの取り換え。浴室や台所の改築など、かなり大がかりの手直しが多くなってきます。

20年を過ぎると・もうほとんど全ての部分、部材を修理したり、取り換えが必要になります。特に、水回りなどでは、設備器具の再々取り換えも考えられますが、いたみはそれほどなくとも、機能が著しく低下し、取り換えざるをえなくなります。

30年も過ぎる頃・このころになると、部分的な修理よりも時には全面的改築や建て直しの方が経済的となることもあります。
以上、述べたこと以外にも、いつも特に心がけてもらいたいことは、各室の清掃、バルコニー回りの点検、床下換気口の点検などです。
 このように家を長く持たせるには、日ごろのチェックと修理など費用もかかります。ですから、あらかじめ、修理費を毎月積み立てておくと、修理や手直しの実施がしやすくなります。
目安は1〜3年は100m当たり一万円。4〜10年は一万五千円。20年以上はニ万円です。費用の捻出も計画的だと、修理も手直しも、余裕をもってできます。

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